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2007年11月20日 (火)

小説談義の個人的感想・第一回(連載するかは未定ですが)

こんばんは。

今日はちょっと長文です。

私、時間がある時に某所で小説談義をしています。大まかな概要を説明すると、ある作品を取り上げ、その感想や気付いた事、面白い要素は何かというようなことを話し合う(議論ではないので、一つの結論を出すわけではありません。ざっくばらんにお話をするという感じです)というものです。たまには、簡単な文章を書いたり(まだ一回だけですが)もします。

その中で先日、乙一さんの「GOTH」(角川文庫)が取り上げられました。早速、近所の本屋さんで購入して読みました。

第一印象としては「ぐは……。こ、こりゃ、グロテスクだね……」という感じでした。元々、ハッピーエンドでのんびりとした、穏やかな話が好きな私には到底受け入れられるものではありませんでした。読んでいる途中で拒絶反応がでました。

ですが、世間一般では非常によく売れている本だそうですし、賞も取っていると知りました。

最初は「好みの問題なんだろうか? こういう作品が好きな人が多いのかな?」と考えました。いえ、そんな単純な結論であるはずがありません。そこでちょっと考えてみました。

よくよく読み返してみると、「もしかしたら、こういうことかな?」という推測だけはできました。一言で言えば、

「乙一さんは感覚が研ぎ澄まされている。時代をうつす鏡なのだ。だから売れるのだ」

と思いました。

私が思うに、乙一さんは自分の感覚が研ぎ澄まされていると自覚はしていないのではないでしょうか。自然にやっていることが実は他人から見れば、非常に優れた感覚であるという事になっている。それに気がついていないのではないかと。

もっとも、感覚が研ぎ澄まされているという表現でなくても、「自分の何が売れるのか」あるいは「これはこうだから世間に受ける」といったような「形のない何か」は意識していると思いますけどね。

同時にちょっとした危惧も感じたのですが、文章に残してしまう事に抵抗を感じたのでそれは書きません。最初は書こうと思ったんですけど、現実世界に影響が出るのが嫌なのでやめます。

さて、これらの推測を立てた時に「ああ、自分には大切なものが不足していたのだな」と感じました。

その「不足していたもの」が何かは書きませんが、例えれば切れ味の鈍ったナイフでトマトを切ろうとしても崩れてしまうという感じでしょうか。

少し話が逸れますが、文章をうまく書くにはどうするか? という問いに対してよく「上達するにはたくさん読書をすることだ」と聞きます。これって「ある意味真実で、ある意味間違っている」と今回の乙一さんの作品を読んで感じました。

「楽しむだけの読書」ではダメだって事です。もちろん、それが100%真実ではないですし、これは私の勝手な思い込みに過ぎないですけどね。

――本筋に戻ります。

結論として、乙一さんの「GOTH」が受ける理由は「ある読者層に対して、ど真ん中ストレートな作品」だからではないのかな、と思います。

ただし、ここでいう読者層とは「グロテスクな話や黒い話のファン」ではありません。

この結論に至り、ちょっと読書の仕方や受け取り方が変わりました。もちろん、今まで通りの読み方も継続しつつ、新しい読み方をしてみると別のモノが見えてきて、とても面白いです。バカな私では、いろいろな点で時間がかかりそうですけどね。

最後に、もう何度かここやあちこちに書いていることですが、「世の中に無駄な事はない。そして失敗したとしても、そこから何かを得られれば無駄でも失敗でもない」と述べておきます。

今回の「GOTH」でも、自分が苦手な作品と思っただけでは何も生まれませんでした。ですが、こうしていろいろと分析してみると、面白さや発見がありました。その貪欲さや、読書のゆとり(余裕)を持つことが非常に重要だとあらためて感じました。また、本の奥深さを思い知らされました。

だ・そ・く……。

さて、つい最近、別の本(複数冊)を読んでいて気がついたことがあります。それは気が向いたら書きます。ちょっと話すと、ニコニコ動画の投稿作品と売れる本の関係です。今回の分析も少し関係しています。

ま、それは今のところ、私が墓場までもっていくことになる事が農耕……、でなくて、濃厚です。

という感じで、今日はおしまい。お疲れ様でした。

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